東急電鉄8500系コルゲートカット(特別記念版)



すべての事の始まりは、8500系ファンを驚かせ、そして奮わせた以下の記事です。

田園都市線8500系車両の特別販売を行います
https://www.tokyu.co.jp/image/information/pdf/211001_8500.pdf

1両まるごとが176万円なのに対して先頭部分カットが桁変わって2420万円とか、堂々と逆ハの字ワイパー×ハイビーム×S運番で構える8622と8630とか、なぜか先頭部カットのイメージに大抜擢されるモックアップ君とか、いろいろ情報量が多いのですが、下のほうにスクロールしていくと、なんと部品販売の記述が…



コルゲート、車番、銘板が含まれる特別記念セット…25セット…
買わないはずがねぇ…!でも25セット…

予約開始日、ダメ元でPCの前に構えました。85,000円?一生に一度の機会だと思えばいいんです。。。。。。

そして…

ロースペックPCが味方してくれたのか神が味方してくれたのか、買えました

んで、重たくてでかい段ボールが届きました。



早速セットの御礼が入ったファイルがお迎えしてくれます。



包みをめくると、8の数字が見えておぉっ!となります。インフレナンバーじゃない限り8500系なので当たり前なんですけどね(笑)
ちなみにこの包みは2017年の8634Fから始まったモケット交換時に使われたもので、結んである紐は貫通幌と同じ材質のものを細かく刻んで紐状にしたものらしいです。やりますね東急さん…

御開帳!



なんとデハ8817でした!両数的に軽量車が多いので若番が来るとは思いませんでした。
8629Fが包まれていることと、初回販売は25セットということは事前にアナウンスされていたので、なんとなく29F、17F、35Fあたりなのかな…とは思っていましたが。あるTwitterのフォロワーさんは29Fの車番を引き当てていましたね笑
何が当たっても嬉しいですが、なかなかに緊張する車番ガチャでした。

銘板は昭和58年のものでした。1983年ですから、なんとなく17Fや29Fの10連化時に増備されたデハ8700、デハ8800のものなのかなと推測できます。こちらも車番と並んでほしい85グッズでしたので、うれしい限りです。

コルゲートは…とにかく重いです。電車ってこんなに重い物体の塊を動かしてるのか…と勉強になるくらい重いですw



では1つずつ細かく見ていきましょう。まずは車番プレートからです。





ぼろぼろに読み古した、『鉄道ピクトリアル2017年3月号【特集】東京急行電鉄8000系』を参考にしますと、デハ8817は最初8000系の8009Fの6連化要因として製造され、そのあとも狭義の8000系の編成を渡り歩くという、かなり捻りのある車両だったようです笑

1976年7月 落成、8009Fに組み込み6連化
1976年8月 8009Fから摘出され8033Fの2号車に組み込まれ6連化
1976年10月 8033Fが編成分解され、8617Fに組み込まれたことにより、晴れて(?)予定だった編成の中間車となる

その後はデハ8845製造時に連結位置を移動してユニットの相方がデハ8517となり、更新工事を経て2021年5月に運用離脱するまで8617Fの9号車として活躍しました。


現役当時の車番プレートも撮影していました。



8500系の車番プレートは1両あたり海側と山側に1つずつ計2つ付いていますが、車番塗料の擦り切れ具合から、たまたま手に入れたプレートと撮影していたプレートが同じものだったようです!(海側山側どちらだったかは失念)



次に銘板です。





『東急車輌 昭和58年〇M』
〇Mってどういう意味なのでしょう?ネットで画像検索してみると、ステンレス車向けと思われる銘板にはほぼすべて、その他の鋼製車等向けと思われる銘板にはついているものとついていないものがあります。

(2024/1/5追記)Twitterのフォロワー様から、〇Mは製造時にメートルねじを使っている印との情報をいただきました!

それにしても、紺色の塗装表面を磨いて浮き出たせた東急車輌の文字は美しく、ただ見とれるのみです。



最後にコルゲートです。



東急8000系、8500系のトレードマークともいえる車体表面のコルゲート、いざ対面してみると、ここまでひだひだが大きいのか、と感服させられます。
普段足元や頭上に並んでいるコルゲートをアイレベルで見ることはそうはないから、サイズ感がつかみにくいのでしょうか。
左側がドア枠部です。



ドア枠部にかけてコルゲートが潰れて両側に広がっていますが、ここの広がり方が列によって微妙に形が異なります。おそらく手作業でひとつひとつ打って作り上げていたのでしょうね…



裏側はこんな感じ。何度でも言いますが、とにかくゴツくて重いです。
幾度にも重ねられた溶接の跡が、製造時の苦労をしのばせます…





最初に出迎えてくれた御礼パンフレットです。
表面の夕日に照らされる車両は、大型クーラーで過電流灯が設置されているので、デハ8797〜デハ0703、デハ0710、デハ0711、デハ0718のいずれかでしょうね(車番特定癖)。

裏面上段は定期検査中のデハ8517の写真がドーンと。偶然でしょうが、プレートと同じ編成なのはうれしいですね。隣にいるのは軽量車で7号車の札が確認できるのでデハ8779でしょう。

裏面下段は5000系登場時でしょうか。快速幕のデハ8601(恐らく)のローレル賞プレートが華やかですが、クハ5101の非常扉窓やジャンパホース、そしてデハ8607のクーラー補強板に目が行ってしまいます(笑)

中身は登場時の編成だったり説明書だったりで内容が濃いので割愛します(汗)







いろいろ引っ張り出して記念撮影です。
以前作った東横線仕様(デハ8817組込前)の8617Fともツーショット。モケットクッション2種も長い時間並んで買ったのが懐かしいです。8617Fは最後まで通称"カステラ"モケットを維持していましたから、相性も良いですね(笑)


最後に、軽くですが実車8617Fの記録をご紹介します。



東武線を快走する8617F。手前から見て2両目がデハ8817です。ごく普通のデハ8800ですが、非軽量編成の9号車ですので、8号車寄りに片開きの貫通扉が増設されています。



突発的なダイヤ乱れによりT代走に充当した8617F。かつては走行距離調整による8500系のT代走は日常茶飯事でしたが、末期は全く見ませんでした。



2021年4月30日撮影。8617Fの最後の1枚となった写真です。行先表示機にフンが…
雲が多く何度も日光がさえぎられる中、通過時はなんとか晴れてくれました。



…拙作ではありますが、最末期の8617Fの記録の紹介でした。

改めて、約45年間鉄路を走りぬいた8617F及びデハ8817に、敬意を表したいと思います。
8617F、お疲れさまでした!

(2021.12.2)
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