DD51ユーロライナー旧製品を追加塗装



雰囲気はなかなかなんですけど

*組立済みジャンク品を入手しましたが・・・
GMのキットは、かつて「手軽に車種を増やすことができる」と重宝がられたものです。
しかし最近では、キットを組み立てる人も減ったのか、以前ほどの勢いもないような。。。
それはさておき、EF58の牽く荷物列車を再現するのにお手ごろな形式、
マニ44もキットとして販売されていますね。
キットを見る限り、リブだらけの側板など、出来はよさそうです。
私もいつか手に入れて、組み立てようと思っていました。

ところが・・・ユーザ組立済みの品を、中古模型ショップで安く手に入れてしまいました。
塗装もそつなくできていて、これなら・・・組み立てる手間が省けたというものです。

でも、なんか、バランスがおかしいんですよ。
なんだか凄く、大きいんです。

*背の高さを比較してみる

左写真:KATOスニ40との比較。屋根よりも、側板裾の高さの差が目立ちます。
右写真:TOMIXマニ50との比較。低屋根構造のマニ50とは、3mm以上の屋根高さの差が。。。


KATOマニ60との比較。限界一杯の高さの屋根を持つはずのマニ60よりも、背が高いとは。。。

そこで早速、荷物列車で編成の相手となる、主な形式と比較してみました。
すると・・・本来は同じような車体構造でボディ断面も似通っているはずのスニ40と、
2mm以上の高さの差があることがわかりました!

低屋根構造のマニ50とでは、3mm以上の差があります(スケールに換算したら、450mm!)。
乗務員室扉の床高さを比べると、その差はよくわかるでしょう。

車輌限界一杯の高さを持っている旧型客車と比較しても、その差は歴然。
マニ60よりも屋根が高いんですから・・・明らかに車高オーバーですね。

*車高が高くなってしまう原因
幸い、床板とボディは固定されていなかったので、構造を見ることができました。
すると・・・床板は平らではなく、車端部が1mm以上、上がっていることがわかりました。
なぜこのような構造になっているんでしょうか?
マニ44は、車端部のボディ裾が上に上がっているからでしょうか?
車端部が上がっている床板

一方、床板の高さを決める側板内側の出っ張り(リブ)は、一直線になっています。
しかも、側板裾よりもかなり上の方にあり、もしも床板がここに密着していれば、
車高が高くなるとは思えません。
ところが実際は、床板高さの高い車端部分で位置が決まってしまうので、
結果として車高が高くなってしまっているようでした。
なら、車輌の中央付近の固定用リブは関係ないジャン・・・と思いきや、
よく見れば車輌中央には、リブの下に小さな突起がありました!
なるほど、この突起で床板の低い部分の位置を決めているんですね。
いやはやなんとも・・・よくわからない構造です。

平らな床板を使う前提で側板を設計したのに、何らかの理由で段付きの床板を使うことになったため、
側板側にこのような応急措置を施した・・・というような感じです。
本来は、「固定用リブに床板中央部が接する」ときに、高さが正解になるんだと思います。

床板固定用の出っ張りは一直線ですが、実は中央部に小さな突起があります。

*出っ張りを修正して車高を下げる
ならば、車高を下げるのは簡単です。
①高さが高い、車端部の床板を逃がすため、この部分の固定用リブを削り取る
②中央部の床板を固定用リブに密着させるため、中央部の突起を削り取る
こうすれば、本来の設計上の高さに床板が収まってくれるはず。

早速、デザインナイフで固定用リブを加工してみましょう。
まずは車端部・・・ちょうど、床板の高くなっている部分が当たるところを、削ってなくしてしまいます。
続いて、中央部の小さな突起も削り取ります。

車高を下げる加工は、たったのこれだけです。
床板と固定用のリブが中央で密着するようになり、1mm以上車高が下がるはず。
が、台車取り付け部の平面性も向上させたいので、この部分も軽くやすっておきました。
これだけでも、台車の安定性がよくなりますよ。

ここでちょっと余談ですが・・・
このマニ44を組み立てた方は、瞬間接着剤を用いていたようです。
車体内側を加工していたら、パキッというような音とともに、側板やら妻板やらが、外れてしまいました。
このようなスチロール樹脂の組立には、強度を考えれば、
プラモデル用の接着剤(タミヤセメントなど)を用いて、しっかりと溶着させないといけませんよね。。。

左写真:側板裏側にある床板固定用リブの車端部を削り、段付きの床板を逃がす。
右写真:床板固定用リブ中央にあった突起を削り取る。

台車取り付け部を軽くやする

*これで本来の車高に!

さぁ、改めてボディを床板に被せて、位置関係を見てみましょう。

ぎゅっと押し込んでみると、床板の中央部が固定用リブの位置まで到達し、固定されます。
裏返してみると、ボディ裾よりもかなり奥まった位置になっていることがわかりました。
床下機器の位置から判断しても、やはりこの高さが、本来の設計であったのだろうと思います。
この本来の設計を変更してしまった要因は・・・やはりきになるところですね。


続いて、改めて他車との高さ比べをしてみます。
車体構造の似ているスニ40とは、屋根高さも、裾位置も、ほぼ同じにすることができました。
改造前に感じた違和感は、これでなくなったように思います。
GMの場合、ベンチレータが別パーツになっていて、これがやや大きいので、
その分・・・まだ背が高いように見えてしまいますが。

また、マニ60より屋根高さを若干低くすることができ、
「側板は上下に長いが屋根は薄い」という、マニ44の特徴を現せたように思います。

左写真:スニ40との屋根高さ、裾位置はほぼ同じになりました。
右写真:マニ60よりも、若干低くすることができました(ベンチレータがまだ高いけど)

*終わりに
車高を下げてからの、真横からの写真を見ておわかりと思いますが、
マニ44の長い車体裾と台車上部との間・・・クリアランスがほとんどありません。
実際に走行させてみると、カーブでちょっと接触しているような感じです。
実用上差し支えないと思い、私はこのままにしていますけど。

なるほど、これが設計変更を強いられることになった要因なのでしょうね。
見た目よりも走行の安定性を重視した、ということなのかな。
でも・・・同一形式で統一されることのない荷物車編成では、他車とのバランスが重要だと思うんですけどね。